Day 84 児ポル法改正疑惑
「昨日入ってきた若い人、飲酒の検問を強行突破したらしいスよ。」
そういう話はすぐ伝わる。それも驚くほど早く。
シャツを破いたのは、酔っぱらいじゃなく、お巡りさんらしい。擦りむいたのが本人だけでないなら、
しばらく泊まっていくことにかもしれない。
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チューリップ部長は、元生活安全課で少年捜査係にいたそうだ。
「じゃあ、児童ポルノ犯罪に詳しいですよね?」
ところが、
「ガキが被害者の担当と、ガキが加害者の担当がいるんだよ。」
聞かなくてもわかる、チューリップ部長は後者の方だ。
「でも、量刑には詳しいでしょ?」
意外なことによく知らないらしい。
自分が関わった案件の公判は、時間の許す限り傍聴する、とブチョーも言っていたが、
大抵、公判が始まる前に捜査は終わっているそうなので、ぶっちゃけたハナシ、
頭の中が次の案件でいっぱいの状態のまま、前の案件の求刑を聞き、判決を聞くことになるという。
「え!そんなに重いの?と驚くときもあれば、あんだけのことやらかして猶予かよ、ってときもある。」らしい。
「私、執行猶予付きませんかね?」
「さあ、どうだろうね。内容を詳しく知らないんで、なんとも言えない。」
「でも、3年以下の懲役(の罪)で初犯ですよ。悪質でなきゃ猶予でしょ。」
「悪質なんじゃねえの?(笑)・・・ん?・・・3年?・・・5年じゃなかったっけ?」
「3年ですよ。そこの六法で確認しましたから、間違いないです。」
ドヤ顔のワタシ。
ふーん、とチューリップ部長。
「確かにあの罪名は、猶予で出る奴も多いけど、最終的に民事でヤラれて、
かなりまとまった金額を払うことになるんだぜ。」
嫌味ったらしいことを言われた。
あまり気分が良くないらしい。
このときのことを思いだす度に想うことがある。
チューリップ部長は、本当に児ポル法の改正された罰則を記憶していなかったのだろうか、と。
( ̄ー+ ̄) s:th (シスと発音して下さい)