Day 79 初接見 情状証人にうってつけの老舗の3代目
ヒデさんの言によれば、
情状証人とは、社会復帰後の雇用主と
身元引受人(監獄では、ガラ受けという言い方が最もしっくりくる。以降、ガラ受け)のことと、
シンプルに考えて何ら問題ないそうである。
私はまた、法廷で涙ながらに被告の人間性を肯定するエピソードなんぞを話し、
裁判官の情に訴えるのが情状証人だとばっかり思っていた。
「まったく違うらしいです。ウチの弁護士は、仕事と家、って言ってました。
ようするに、被告には帰る家と仕事がありますから、生活に困って再犯するおそれはありません。
だから、早く出してやって下さい、ということなんでしょう。」
どうやら、法律家から見て問題を感じる再逮捕同様、量刑に影響を与えるモノではないようだ。
「ただし、堕ちるか出るかの境目にいるなら、是非とも揃えたいアイテムです。
できれば強力なのをね。」
ブチョーも、昔とっ捕まえたハメ撮り屋の公判で、情状証人に立った被告の上司が、
「会社にとって必要不可欠な人間です。会社で面倒を見ますので何卒・・・」
平身低頭してその務めを果たしたところ、執行猶予を勝ちとったという。
「オレは実刑だと思ってたけどね。やっぱ、情状証人は重要なんだと実感したよ。」
そんな話を聞いたら、何もしないわけにはいかないじゃないか。
するとそこへ、面会のお呼びがかかった。名前を聞くと、やはりアイツだ。
おそらくアイツが来るだろう、いや、アイツしか来れないだろうと思っていた。
私の友人の中で、距離的にもっとも川越に近く、もっとも平日の日中に自由がきく上、
社会復帰後の雇用主として申し分ない、80年続く老舗の3代目社長。
古い六法をいまだに信じている私はこう考えた、
アイツがいれば、モチベーション低めの国選弁護人風検察官でも、イケるかもしれない、と。
短時間、旧交を温めた後、老舗の3代目社長カワカミに2つ頼み事をした。
情状証人を頼む、そして、
俺から頼まれたのではなく、お前が自発的に思い立った話にしてくれ、と。
先の頼みの方は完璧に実行されたんだが・・・
( ̄ー+ ̄) s:th (シスと発音して下さい)