Day 60 反省文作成要領
「反省文書け、って国選(弁護人)に言われてるんですよ。」
この類の相談はヒデさんに限る。
大男やロン毛じゃダメだ。
「書けてます?」
「いや、全然。」(笑)
「裁判官に提出するんですよね?書き方は知ってますか?」
なんと、定められた書式があるという。私は正直に知らないと答えた。
「やっぱり・・・・・・ 国選だとそこまで教えてくれないでしょうね。」
裁判官に提出する反省文は、
基本的に、警察署で書かされる上申書と同じ書き方をしなければならないそうで、
「宛て名が、川越警察署長殿から早川裁判官殿に変わるだけだと思ってください。」
スポンサードリンク
次に、枚数は7枚プラスマイナスゼロ。
「7枚目は、3分の2を越えたところまでは書け、と言われました。」
「なぜ、7枚も書かなきゃならんのです?そんなに書けないですよ。」
「裁判官、ひいては被害者側として見れば、7枚でも全然少ないと感じるはずなんです。でも、こちらとしても100枚も200枚も書けないじゃないですか。つまり、建前としてはですね、すごく反省していますので、本当はもっと書きたいけど、7枚しか送れないんです、
ということなんです。」
確かに、80円切手で送れるのは便せん7枚までと定められている。ロン毛によると、拘置所では追加料金を払えば、7枚を越えて出すことも可能らしい。だが、そうなると話がややこしくなる。7枚でイイ、いや、7枚がイイ。
「反省文は、量だけでなく、質も問われます。」
素人の作文なので、どうしても、すいませんという言葉が多くなってしまうという。そりゃそうだろう。だが、
「謝罪の言葉は文中1回のみ、です。」
ひえぇ!!!!
さらに、
「謝罪の言葉よりも、もう2度としません、という言葉の方が重要だと言われました。」
まず具体的に、なぜ罪を犯してしまったか、次に、もう2度としません、という言葉。最後に、再犯しないと誓える理由と再犯防止の方策。謝罪の言葉と、もう2度としません、という言葉は、文中どこかで1回だけ使い、
「最終行に、署名指印でしめます。」
「指印?留置場で便せんに指印押せるんですか?」
「できます。看守が黒い印肉持ってきますよ。」
うーむ・・・置くが深い。
たかが反省文とタカをくくっておったが、これは侮れんぞ。
「ちなみに、1回送って終わりじゃないですからね。何回も書いて送れ、と弁護士から言われました。
裁判官が、ウザいからもう送ってくるな、と思うくらいで丁度良いそうです。」
便せん7枚を数回には言葉を失った。しかも、それを裁判官が嫌がるまで送りつけろと?
心証を害したりしないのか・・・判決に影響はないのだろうか・・・
大金を受けとるだけあって、私選弁護士の戦略に確かにスキはない。
知れば知るほど、私選弁護人が欲しいものから必要なものへと、自分の中で変わりつつあるのを感じた。
勝つために必要なweaponだ。状況が不利なら絶対だ。
( ̄ー+ ̄) s:th (シスと発音して下さい)