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R3 > Chapter 1 vs地方検察庁 from代用監獄 > Day 51-100 > Day 51 面倒見

Day 51 面倒見

今、川越署の留置場には自動車窃盗の主犯格が2人いて、どちらも金回りがすこぶる良い。
詐欺の準主犯格もいたが、こちらは犯罪収益隠匿に走っているので、
2人と比較するとやや地味な印象がある。
現在の川越署管内のトレンドは、自動車窃盗にあるように思われた。

ネールではない方の自動車窃盗団の首領は、
見た目アラフォーの落ち着いた雰囲気の端正な顔立ちの男で、
老人や私のような初心者にとても親切であった反面、
地元川越の反社会勢力某団体の構成員という意外な一面を併せ持つ、とらえどころのない人物だった。

噂によると、彼は犯罪収益で家を2軒購入したという。少なく見積もっても5千万円以上ヌイてるよ、
と警備に来ていた刑事が言い、明石情報も同意を表していた。どうやら間違いなさそうである。
しかし、そこまでわかっていても、犯罪収益として徴収等できないものなのだろうか。
彼の家族は毎日面会に来ていたが、そりゃ来るでしょう。
お勤め中の彼の家族の生活、出所後の彼の生活ともに、彼の稼いだ犯罪収益のおかげで安泰なのである。
ここまでくれば、立派なおシゴトだ。

彼は、私が川越署留置場に入場した時すでに、10ヶ月以上をここで過ごしていた。
「よっぽど取り調べることが多いんでしょうね。」
「そんなことないよ、もうすぐ結審だぞ。」
結審するということは求刑を打たれるということだ。
今さら取り調べることなどないんじゃないか・・・?

「面倒見、だよ。」
面倒見というと、移管前日に行われる、例の・・・
それとは別だ、と言って明石老人が話し始めた、

埼玉県警の留置場では、運動の時間にタバコが2本吸える。言い換えると2本しか吸えない。
それでも、拘置所や刑務所では運動に限らず1本も吸えないのだから、まだマシではあるのだが、
さらに吸いたいとなると、取調べしか喫煙の機会はない。

隠し事のある人、ごっついことをやらかした人にとって、取調べは楽しい時間ではないかもしれない。
だが、隠し事のないニコチン中毒被疑者、ヘビースモーカー被疑者にとっての取調べの時間とは、
イコール喫煙時間というシンプルな図式だったりするのである。
初日に、大男が「いいなぁ」と言った意味がやっと理解できた。

ちなみに、土日祝日に運動の時間はない。
休日の取調べが平日のそれより貴重なモノであることは、ゆーまでもない。

取調べの回数は、事件の内容、隠し事の有無により大きく異なってくるので、
当然のように個人差が生じる。
さらに、円滑な取調べを目的とした湯茶以外の清涼飲料水等のサービスや
貴重な喫煙タイムを有効利用しようと情報を小出しにする知能的確信犯の暗躍等もあって、
取調べの長短とその必要性は、案件の概要からだけではうかがい知ることのできない、
一段と曖昧模糊とした状態を増していくのである。
通常、調べることがなくなれば取調べは終了だが、本件以外の案件の参考人としての取調べを除く、
拘置所移管前日の喫煙のための取調べ等、
本来の目的と遠くかけ離れた内容の取調べを「面倒見」と呼ぶらしい。

「警察はな、情報源としてヤ〇ザを利用しているんだ。」
地元の反社会勢力の構成員が留置場に入ってきた場合、
毎日取調べで出すことは、お約束のようなものなのだと明石老人は言った。
私には信じられなかった。
だって、そうだろう?ジュースやタバコと引き換えに、彼らのような犯罪の
プロが警察の喜ぶような情報を提供するわけないじゃないか。

「どっちが利用しているのか、わからないですよね。」
「世の中、そんなもんだ。」

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「たぶん、(求刑)6年くらうと思うけど、(判決で)3年くらいにまかると思う」
自信満々ででかけた裁判で、求刑12年を打たれ、
「殺人じゃねぇんだから・・・」

盗んだクルマの台数は、ゆうに1000台を越えるという。
盗難車で街中を走ることに不安はなかったのですかと尋ねたところ、
走り方がある、と言った。
「東京と埼玉じゃ、おまわりのいるところが違う。
裏道で待ち構えているか、大通りで待ち構えているか、どっちがどうなのかは自分で考えなよ。
それから、Nシステムは真ん中通れば大丈夫だから。」

判決は懲役10年。

彼は判決後、控訴した。
「買い物」のためだ、と彼は言った。ちり紙など必要なモノを買ったら、アカオチするんだそうだ。
判決まで留置場にいること自体、驚愕であったが、
ちり紙を買うための控訴の必要性が、どシロートの私にはまったく理解できなかった。
だが、その道の方々にはよくあることだそうで、なんちゃって控訴という言い方をするらしい。

彼の姿をその後見ていない、それっきりだ。

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世界最小裏AVメーカーCEOとして、素人ハメ撮りDVDを無修正で販売するという暴挙により、投獄の憂き目に遭ったオトコです。

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