Day 123 TDKからやってきた、全身タトゥーのカラーギャング
どこから来たのか、尋ねたところ、
TDKと彼は答えました。
私の世代(平たく言うと、オッサンですわ)だと、
TDKと言ったら、カセットテープのことですが、
今ドキの若いもんだと、
東武動物公園・・・のことらしいです。
なにをぬかし・・・
そんなん、なんだっていけるでねっか、
長野原草津口が、NKKを名乗ってもいいんか。
TDK
「でも、女子高生は、とうぶこ、って呼んでます。」
じゃあ、とうぶこ、にせえ、
JKが呼んでるなら、それが正しい。
無理のある横文字略語なんか使うんじゃない。
てなカンジのゆるさ際立つこの彼が、
いかなる理由で私の房に来たかを
詳細に語ると長くなるので、ざっくり言うと、
若い者同士のケンカ(彼は止めに入っただけらしいですが・・・)
で転房になり、やってきました。
監獄においてケンカ仲裁は
もっとも愚かな行為の1つとされており、
よいことなどなにもないと言われています。
通常、止めに入った人も一緒に連れていかれ、
同罪人として扱われることも珍しくなく、
最悪の場合、刑期が延びることすらあるそうです。
TDK
「そんなん、知りませんでしたよ・・・」
そうでしょうな、
私もここに入るまで知りませんでした。
とにかく、
そういった経緯で別の部屋に移されることになったTDKですが、
首から下、ほぼ全身タトゥーの、
どちかというと、止める側というより、
止められる側といった印象の
20歳そこそこの若いオトコで、
自らを、カラーギャングと、紹介しました。
カラーギャング?
好奇心の強い私が、こうした場面を見逃すハズもなく、
もちろん、詳しい説明を求めました。
カラーギャングは大きく2種類に分かれるそうです。
BLADS(ブラッズ) 赤と、CRIPS(クリップス) 青。
BLADSとCRIPSは仲が悪く、縄張りを持ち、
敵対するカラーギャングのテリトリーには近寄らず、
どういうワケか職人が多いそうです。
また、米国車をカスタムして乗りまわす人も多く、
同世代のカネまわりのよさそうな奴らからのカツアゲ
を主な収入源にしている方々もいるとそうです。
( ̄ー+ ̄)
「オヤジ狩りはしないのですか?」
TDK
「自分らはやりません。知り合いで援交狩りをやってた奴は知ってます。」
( ̄ー+ ̄)
「どのあたりで、ですか?」
TDK
「越谷です。」ご同輩、越谷周辺は要注意ですぞ。
TBSのドラマ「IWGP 池袋ウエストゲートパーク」で描かれていたように、
池袋にはカラーギャングが実在するそうで、
BLADSが多いそうです。
( ̄ー+ ̄)
「見たら、わかります?」
彼(以下、TDK)はわかると答えました。
BLADSなら赤、CRIPSなら青、
それぞれのシンボルカラーを
ファッションの一部に取り入れているとのことでしたが、
そもそも、赤や青を服装の一部に差し入れている連中など
繁華街には、それこそ掃いて捨てるほどいるわけで、
これではオレにはわからんな、というのが
正直な感想でした。
( ̄ー+ ̄)
「他に、池袋以外に、赤(BLADS)のテリトリーになっている街はありませんか?」
TDKは赤羽の名を挙げました。
( ̄ー+ ̄)
「ほう、では赤坂は赤(BLADS)で、青山は青(CRIPS)ですか?」
TDKは知らないと答えましたが、
彼が知らないことが、街の名前なのか、テリトリーのことなのかは
私には判断がつきませんでした。
TDKは、ガチンコファイトクラブで有名になった人も所属する、
無国籍カラーギャングのメンバーで、定職には就かず、
TDK
「寄付で生きてます。ええ、初対面の方からもいただきますよ。(笑)」
( ̄ー+ ̄)
「寄付?」
TDK
「自分、冬でも半袖で、タトゥー出してるんです。
そんで、ヘンな運転してる奴見つけたら、ムリやり止めて・・・」
( ̄ー+ ̄)
「止めて?」
TDK
「説教するんです、そんな運転していいの?、って。
そうすると、お金くれますね。」
やっぱりと言うか、彼もカラーギャングらしい生き方を
実践しているようでした。
TDKの所属する無国籍カラーギャングは
とても有名な集団だそうですが、
そのギャングの名前を聞かされた私が、
ごく当然のように、知らないと答えると、
「本当に知らないのですか?」と
念を押され、且つ不思議そうな顔をされたのですが、
むしろ、そんな人たちを知らない方が
普通というものではないかと
私の方が、彼のことを不思議に思いました。
ただ、残念なことに、自らを有名だ、と吹聴して歩く輩ほど、
無名だから宣伝が必要なんだろうな、と深読みしてしまうのが、
世のスレたオヤジというものなので、
実は、それほど有名じゃないんじゃないの、
という思いで満ち満ちてはいたものの、
どういった理由で自分たちは有名だと主張するのかは
非常に気になるところです。
そこで、尋ねてみたところ・・・
彼の所属する無国籍カラーギャングは、
ヤ◯ザ集団と八潮パーキングエリアで闘い、
「勝ちました。」
なるほど、それで有名になったのか・・・
しかし、その勝利によって、危険な状況に身を置くことに
なったのではないですか、と尋ねると、
そんなことはないです、と、TDKは答えました。
「ヤ◯ザがカラーギャングに負けたなんて、恥ずかしくて言えないじゃないですか。」
彼は、私には理解できない感覚を持っているようでした。
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