Day 38 代筆
大男の罪名は詐欺である。
本人が詳細を語らないので内容は不明のままだ。
罪状の話になると、彼は決まって
「断じて詐欺ではない。」
と言い切りながらも、刑事から「また、やるだろ?」と言われたんで
「もう、やらねぇよ!」と答えてやったと胸を張ったりもする。
他にも、
「5千万円、あるところに隠してあるんだよ。」
ん?隠す?
それって、犯罪収益じゃないんですか?
「弁護士に取ってきてもらえば、いいじゃないですか。」
「それができないから困ってるんだよ!」
怪しい・・・
守秘義務のある弁護士に隠さなければならないカネとは一体どんなカネだ?
大男は、ほとんど毎日誰かに手紙を送り、カネの差し入れを無心していた。
警察に身柄拘束された人物からカネを貸せと言われて貸す奴なんて、いるのかね、
と冷めた視線で眺めていたが、送ってくる人がいるから不思議である。
実はこの男、只者ではないのか?
仕切り屋のロン毛には気を遣う反面、歯科医専門のコソ泥には横柄で、
出所したら、運転手として雇ってやるから、ウチにこい、と誘い、
保釈金も出所後の生活資金も用意してやるから、と手紙を代筆させていた。
たかが手紙の代筆だけで保釈金?
オイシイじゃないか、
猜疑心は捨て切っていなかったものの、
当時の私は古い六法の罠にズッポリとハマっており、
徐々にではあったが、保釈金と引き換えに頭を下げそうな状態になりつつあった。
毎日せっせと手紙の代筆を行う、歯科医専門のコソ泥を見ながら、
嫉ましい気持ちにさえなっていたのだ。
まだまだ、駆け出しのビギナーだった。
( ̄ー+ ̄) s:th (シスと発音して下さい)
世界最小裏AVメーカーCEO獄中記
Day 64 代筆中止勧告

世界最小裏AVメーカーCEO獄中記
Day 57 保釈相場

世界最小裏AVメーカーCEO獄中記
Day 48 犯罪収益に群がる人びと

性犯罪再犯防止教育

代用監獄川越署留置場の愉しみ方

性犯罪者の悲しい末路

その場シノギな男たち

スポンサードリンク