Day 32 日本が世界に誇る、埼玉県警児童ポルノ特別捜査チーム
sith逮捕は、被撮影児童を特定(刑事たちは、ガキが割れると表現する)した福島県警と
sith捕捉に成功した埼玉県警の合同捜査本部により実施され、
その本部は埼玉県警川越警察署生活安全課少年捜査係に設置されていた。
後からその話を聞いた私は、埼玉県警主導で良かったと、ホッと胸をなで下ろしたものだ。
福島県はチト遠過ぎる。
埼玉県警児童ポルノチーム(しつこいが、命名はメタボで、私ではない。以下、埼玉県警児ポルチーム)は、埼玉県警察本部生活安全部少年捜査課(生活安全課少年捜査係ではないことに注目していただきたい。
埼玉県警児ポルチームは所轄のそれよりワンランク上だ)に属していたが、
彼らの机は県警本部にはなかった。
捜査本部(彼らは飯場と呼んでいた)は、所轄の警察署に適宜設置され、
捜査終了とともに次の飯場(警察署)へ移動するという。
捜査の実績は県警本部ではなく、そのときの飯場に帰属するそうだ。
番長のときは、埼玉県警深谷署が飯場だったらしい。と言うことは、
番長は、さいたま地裁熊谷支部で裁かれたということになる。
熊谷もチト遠い。
いつものように、メタボに連行され取調室に入ると、今朝は、ブチョーとともに主任がいた。
主任は警部補で、番長の取調官(情報源:メタボ)だった男だ。
「検事さんに、なに聞かれた?」
ヒゲの濃い主任は、午前中のこの時間でも顔の下半分が青々としていて、
若き日の長嶋茂雄のようだった。
( ̄ー+ ̄)
「ここで聞かれたことと、ほぼ同じでしたよ。いつものようにすぐ指印おして終わりましたしね。」
不思議な質問をするなぁと思うと同時に、今日に限って訊いてきたということは、
何か理由があるに違いないと感じた。
どうでも良いことだが、警察と検察では、調書の指印を押す指が違う。
警察署は右手の人差し指、検察庁は左手の人差し指、刑務所は検察庁と同じ左手の人差し指だ。
納得できる理由が、そこにはあるのかもしれないが、互いに譲らないなにかをそこに感じないか?
警察官は検察官の指示で捜査を進めている(異論はあると思うが、私はそう感じた)。
テンポラリーな関係であったとしても、担当検事と担当の刑事は1つのチームを組んで事件を捜査する。
他方で、検察と警察はそれぞれ捜査権を持ち、互いに競い合っていて、
別々の機関にぶら下がっている全くの別組織である。
一例を挙げれば、東京地検特捜部の逮捕する被疑者は大抵、大物だが、
彼らが代用刑事施設に入れられた話を耳にしたことがないだろう?
いつでも仲良く協力し合う仲ではないのだ。
先の質問の真意について興味をもった私は、いろいろと質問を試みた。
だが、なにも得られなかった。
尋問のプロは簡単に情報を漏らしたりなどしないのだ。
「検事さんは、俺らの作った調書なんか、見てないだろ?」
捜査陣の中で最も若いメタボは、常に彼らしい質問をしてくる。
検察庁で重複した質問を受けることはあったが、それが単なる確認なのか、
それとも刑事調書未読によるものなのか、そんなこと一被告には知る由もないのに、
なんでそんなこと訊くの的な気持ちは、おくびにも出さず、
いや、いや大谷検事はちゃんと見てますよ、
と模範回答した直後、
「ところで、早川裁判官、ってどんな人ですか?」
現在最大の関心事を単刀直入に尋ねた。
私のような素人が情報をとれるのは、
まだセミプロのこの男からだけだ。
世界最小裏AVメーカーCEO獄中記
Day 89 難攻不落のなにわのコピー屋
埼玉県警児ポルチーム栄光の軌跡 3

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